妊娠中の食事制限は必要?

妊娠中に食事制限をすることによって、
赤ちゃんのアトピー性皮膚炎の発症を予防することができるという
考え方がありますが、これを明確に実証するためには、
大規模な研究が必要です。

 

アトピー歴を持つ妊婦さんを2つのグループに分けて、
ひとつのグループでは乳製品や卵、ピーナッツ製品、豆腐などを制限し、
もうひとつのグループは、普通に食事をして、
アトピー性皮膚炎の発症率を調べる実験をアメリカのグループが行いました。

 

この結果は、4ヶ月検診時も、12ヶ月検診時も、
二つのグループに大きな差は見られませんでした。

 

アメリカだけでなく、スウェーデンの研究グループも、
同じような研究をし、その研究成果を発表しています。

 

スウェーデンの研究は、生まれてすぐから18ヶ月まで、
卵や牛乳、魚を制限したお母さんと、
普通に食事をしたお母さんの二つのグループで実験をしています。

 

このスウェーデンの結果は、3ヶ月検診時と6ヶ月検診時では
制限食をしたグループのほうが普通に食事をしたグループに比べると
生まれた子どもの湿疹の発症は少なかったそうです。
ですが、それ以降の検診では、二つのグループに差はなかったとのことです。

 

しかし、別のスウェーデンの研究では、
妊娠中の食事制限は有害無益という報告がありますし、
ドイツでの研究でも母親の食事制限によって
アトピー性皮膚炎の発症は少なくならないという研究報告をしています。

 

自分の赤ちゃんが、アトピー性皮膚炎になってしまうとかわいそうですし、
自分もつらいですから、
お腹にいるうちから食事制限をしようと思う妊婦さんも多いようです。

 

ですが、食事制限によって、
アトピー性皮膚炎の発症を少なくすることができるという結論は出ていません。

 

また、食事制限を騒ぎ立てるほど、
妊娠中の食事制限が予防効果があるということはできません。

 

特に妊娠中、乳幼児後期の食事制限は、
ほとんど効果がないと考えられます。

 

ただ、いったんアレルギー反応が出てしまったら、
つまり、アレルギーが成立し、食物アレルギーを合併した場合は
アレルゲンとなっている食事の制限が必要です。

 

特に乳児期の初期では必要になってくるので、
肝に銘じて、食事制限に取り組むことが必要です。